渓流ルアーフィッシングを安全・快適に楽しむには、揃えるべきアイテムが多くあります。
筆者が実際に買い揃えたアイテムを例に、入門時に必要なタックル・ウェア・グッズをご紹介します。
タックル
ロッド(竿)

まずは、必需品のロッド(竿)です。
- 渓流ルアー専用ロッドを選ぶ
- 渓流域なら長さは6ft弱が基準
- UL(ウルトラライトアクション)でOK
渓流ルアー用のロッドは、「ネイティブトラウト」or「自然渓流」用といった表記でカテゴライズされていることが多いです。
長さに関しては、渓流ミノーイングの先駆者、皆川哲氏が著書で下記のように書いています。
自然の渓流で釣りをする場合、長さに関しては6フィート弱が標準である
引用元:皆川哲(2000年)『ルアーで釣る渓流のヤマメ&イワナ』山海堂 p16
筆者は実際、6フィート弱のロッドを使っていますが、特に使いづらさは感じていません。

また、ロッドのパワー・アクションについては、皆川氏が下記の通り語っています。
抜き上げの必要がなければウルトラライト・アクションで充分に対応できるはずだ。
引用元:皆川哲(2000年)『ルアーで釣る渓流のヤマメ&イワナ』山海堂 p16
渓流では、平均サイズが25cm、大きくても35cm程度とのことなので、それを想定しての発言でしょう。
型番に、UL(ウルトラライト)と記載されていることが多いです。

筆者は56TLという型番の、テレスコピックモデル(振り出し竿)のライトを使っていますが、こちらでも使いやすく、しっかり釣れています。
おそらくTelescopic Lightの略でしょう。
バイク釣行ならテレスコロッド

筆者はスーパーカブ110で渓流まで移動しています。
その際、やはり短く収納できるテレスコロッド(振り出し竿)が非常に便利。
予備ロッドとしてバッグに収納したり、車に積んでおくことも可能です。

リール

ルアーフィッシングに欠かせないのが、リールです。
- 入門者はスピニングリールを選ぶべし
- 番手は2000番
- ハイギアタイプ(ギア比の高いもの)
トラウト以外の釣りでベイトリールの経験が豊富などの理由がない限り、トラブルの少ないスピニングリールを選ぶとよいでしょう。

リール選びは使用するラインとも関係してくるが、ざっくり言うと2000番クラスなら渓流から本流まで幅広く使えるだろう。
引用元:つり人編集部(編)(2022年)『渓流ルアー釣り 大切な基礎が1冊でわかるすごいベーシック34』つり人社 p24
番手は2000番が無難です。また、ハイギアモデルがおすすめ。
ギア比が高ければ、それだけリール一回転ごとに巻き取れるラインの長さが多いことを意味します。
渓流は流れが速いため、瞬時に糸フケをとりルアーを動かす必要があります。
ダイワ レブロスLT2000S-XH
筆者が使っているのは、ダイワのレブロスLT2000S-XH。
安く済ませたい方にオススメ。
このリールでもちゃんと釣れているので大丈夫です。
ライン(釣り糸)

ライン(釣り糸)も必需品。
- 素材はナイロン
- 太さは4lb(ポンド)
バス釣り経験がある筆者から見ても、やはり入門者にはナイロンラインがおすすめ。
理由は、
- クセがつきにくい
- すなわちライントラブルが少ない
- 価格が安い

太さは、4lbがおすすめ。
渓流で20cm前後のヤマメが相手であれば十分な強度で、ミノーを操っていても使いづらさは感じません。
ラパラ マルチゲームナイロン
筆者は、ラパラのマルチゲームナイロンの4lbを使っています。
理由は、300m巻きで1,000円をきる安さ。
スナップ

ラインを結べば、スナップを使って素早いルアー交換が可能となります。
筆者が使っているのは、スミスのスナップ。
サイズは#000。
ルアー(ミノー)

渓流ではミノー、スピナー、スプーンの3種が主流ですが、オールマイティに使えるのはミノーです。
- 近年はシンキングタイプが主流
- サイズは3cm〜5cmが基準
- 重さは3g〜5gが投げやすい
- 背中はチャートカラーが見やすい
さまざまな媒体で渓流ミノーに関する記事を読むとわかりますが、ミノーはシンキングタイプが主流になりつつあります。

実際、筆者が使って釣れたことのあるミノーは、すべてシンキングタイプ。
サイズはやはり4cm前後、そして重さは4g前後です。
スピナーとスプーンでは、まだ釣ったことはありませんが、別の言い方をすると、シンキングミノーだけでも釣果を得られるし、釣りが成立しているということですね。

渓流の速い流れの中では、動かしているミノーは発見しづらいもの。
背中が、イエロー・オレンジ・ピンク・レッドなど、チャート系や派手なカラーを選ぶと視認性が高くておすすめ。
おすすめのミノー

特にブランドにこだわりがなければ、ダイワの製品が安くて良いと思います。
筆者が実際に使って釣れたのは、下記の2種。
ルアーケース

小さめのケースに入れて、上着のポケットやポーチに収納しています。
バス釣りで使っていたものを流用しました。
小さいのでかなり安く済みます。
フォーセップ

針はずしです。ラインカッター機能も搭載されているので便利。
細長いので口が小さな魚でも取り出しやすくなっています。
素手だと魚が暴れた時に手を怪我するので、必ず持っておきましょう。
カラビナリール

バックパックやフィッシングベストに取り付け、フォーセップなどの小物をぶら下げておき、必要な時にヒモをスルスルと伸ばして使うことができるアイテム。
スミスのカラビナリールが安くておすすめ。
ランディングネット

掛けた魚を取り込むのに使うのが、ランディングネット。
筆者は、バイク移動なので収納しやすい小型のネットを使っています。
詳しくは下記の記事にまとめています。

マグネットリリーサー

ランディングネットをベストやバッグからぶら下げておけるツール。
魚が掛かったときに、瞬時にマグネットを切り離してランディング可能。
筆者はランディングネットに合わせてスミス製を使用しています。
ウェア・バッグ
ウェーダー(胴長)

渓流では、水の中に入って進んでいくので、濡れないようにウェーダーを着用する必要があります。
- ウエストハイタイプでOK
- ソックスウェーダータイプが安心・安全
ウェーダーには、
- チェストハイ(胸の高さ)
- ウエストハイ(腰の高さ)
の2種類がありますが、個人的にはウエストハイで充分だと思っています。

もちろん、釣り場の水深にもよるのでしょうが、ウエストハイでもたいていの場所はカバーできています。
また、チェストハイじゃないと行けないような深場に、入門時から行くようなことは少ないかなと思います。

ブーツが一体化したタイプと、ソックスタイプになっているウェーダーがありますが、ソックスウェーダータイプがおすすめ。
別途、ウェーディングシューズが必要になりますが、歩きやすさ・安全性を考慮すると、ソックスタイプがベター。
ウェーダーの下には何をはく?

筆者の場合は、なるべく乾きやすいアウトドア向けのパンツとインナーソックスを履いています。
まだ涼しい4月でもけっこう蒸れるので、速乾性のあるものがおすすめ。
リトルプレゼンツ ウエストハイウェーダー
リトルプレゼンツのウェーダーは、比較的リーズナブルな価格設定で、初心者には助かります。
筆者は、同社のウエストハイウェーダーを使っていますが、今のところ快適で、特に問題はなし。

ウェーディングシューズ

渓流釣りで命を守ってくれると言っても過言ではない、重要アイテムです。
- フェルトソールを選ぶべし
- ウェーダーを履いて試着するのがベスト
渓流の中を歩くうえで、一番危険なのが、大きな石や岩。

苔が生えているので、それはもうヌルヌルしていて、滑りやすいわけです。

ブーツの底がフェルトソールなら、苔があっても滑りにくく、安全です。

また、ウェーダーのソックス部分はけっこう厚手なので、最初はシューズのサイズ感がわかりづらいもの。
一番良いのは、店舗でウェーダーと一緒に試着させてもらうこと。
リトルプレゼンツ ライトウエイトWDシューズ
リトルプレゼンツのライトウエイトWDシューズは、安くて人気の商品。
筆者も愛用していますが、苔でも滑らないし、安心安全。

バックパック

フィッシングベストも便利そうですが、バックパックスタイルも最近は増えているようです。
筆者は、その安さに惹かれてリトルプレゼンツの防水バックパックを購入しました。
まれに水深のある場所を歩く時に、バッグの底が水に触れることがあるので、防水仕様だと安心。

偏光サングラス

- 水中の様子がよく見える
- 虫除けにも良い
水面に反射する光を遮断し、水中の様子や魚の動きを確認しやすくなるので便利。
しかしながら、個人的には虫除けとしての役割も非常に大きいと感じています。
目の付近に触れるように飛び回る小虫がけっこういるので、サングラスがないとキツイと感じます。

筆者は、バス釣り用の予備として買っていたスワンズの偏光サングラスを使用していますが、釣り用っぽくないオシャレなデザインが気に入っています。

帽子

さまざまな危険要素から頭を守るために必要なアイテムです。
- 強い日差し対策
- 虫対策
- ケガ対策(木の枝など)
暑い時期であれば、強い日差しから守ってくれます。
危険な虫に頭を刺されることも避けられるでしょう。
そして渓流を歩いていると、木の枝の下をくぐることも。

こういった場面で頭の保護ができると安心です。
防水タイプなら、急な雨にも対応可能。
筆者は、ザ・ノース・フェイスのゴアテックスの防水キャップを使用中。
レインウェア

山は天気が変わりやすく、急に雨が降ることもあります。
下はウェーダーを履くので、レインジャケットだけでも持っておくと便利。

筆者の場合、原付バイク移動なので、肌寒い時期はウインドブレーカーとしても活躍しています。
確実な機能性を求めるなら、ザ・ノース・フェイスのクライムライトジャケットがおすすめ。
ゴアテックス素材が優秀です。

持っていた方がベターなアイテム
持っていなくても釣りは成立するけど、あると便利・あったほうがベターだと思うアイテムをご紹介します。
熊よけ鈴

効果はどの程度あるかわかりませんが、お守り代わりに。
無いよりはあったほうがいいはず。
糸くず入れ

釣り場で出た糸クズは、捨てずに必ず持ち帰りましょう。
専用の回収ケースを持っていれば、言い訳できません。マナーは大切。
水温計

魚の適性水温、その日の魚の活性を判断するのに役立ちます。
巻き尺(メジャー)

釣った魚のサイズを測るのに役立ちます。
大きいのが釣れた時は、誰もがサイズ計測したいもの。
虫よけスプレー
まだ涼しい4月でも、虫にまとわりつかれました。
山の虫にはハッカのスプレーも効くようですね。
筆者はバス釣りの時に使っている、天使のスキンベープミストプレミアムを持参しています。
これはかなり強力で、少なくとも蚊は寄せ付けません。
ポーチ

これは特に、筆者のように、フィッシングベストではなくバックパックスタイルの人におすすめ。
収納スペースを増やせるので、あると便利です。

フィッシンググローブ
直射日光、ケガ、虫さされ、さまざまなマイナス要素を防止できます。
筆者は自転車やバス釣りに使っているグローブを流用しています。
おわりに
今回ご紹介したアイテムは、渓流でのルアーフィッシングを、安全で快適に楽しむために、揃えるべきと感じたアイテムです。
やはり、ウェーダーとウェーディングシューズが必要なので、予算的にも敷居が高く感じてしまいます。
しかし、いざ購入して渓流へ足を運んでみると、美しい自然に癒されること間違いなし。
キレイなパーマークのトラウトを釣ることができた時には、しっかり装備・準備をした甲斐があったと思うことでしょう。
盛夏のウェットウェーディングの装備
盛夏に濡れて楽しむウェットウェーディングは、ゲータースタイルとも呼ばれています。
装備は、下記の記事にまとめています。
