知っておきたいバスの生態【春のスポーニング=産卵編】

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バス釣りをするうえで知っておきたいバスの生態のひとつが、スポーニング=産卵。

特に、春に釣りをする際に必要な知識でしょう。

本記事では、ラージマウスバスのスポーニングについて調べた筆者が、季節、水温、行動、といったキーワードに沿って得られた知識を、実体験も混ぜて紹介します。

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スポーニングとは

スポーニングは英語のspawningからきています。英和辞書によると

《魚などの》産卵、放卵;《魚卵の》採卵

引用元:リーダーズ英和辞典

とあり、主に魚やカエルなどの水生生物に用いられます。

スポーニングのステージと呼び方

ステージ呼び方
産卵前のバス・時期プリスポーン
産卵中のバス・時期ミッドスポーン
産卵後のバス・時期アフタースポーン

また、産卵のステージとその時期のバスを表す表現として、上記のようなものがあります。

バサーがよく、「プリのメス」とか言っているのは、ここからきています。

スポーニングの時期

春が来たら、ブラックバスの産卵の季節。

  • 産卵活動は春に行われる
  • 3月後半に開始され5月まで続く
  • 2月下旬〜7月上旬と書かれた本もあり

山の上にある涼しい湖と、平野にある野池や川では、時期がずれ込むことがあります。

水温がキーポイント

*水温10℃を超えると産卵の準備が始まる

ブラックバスは水温の上昇に伴い、産卵の時期を感じ取り準備を始めます。

HMKL(ハンクル)というルアーブランドを展開し、ルアービルダー兼バスプロとして活躍されてきた泉和摩さんは、著書の中でスポーニングの水温に関して記しています。

泉さんの認識を表にすると下記のようになります。

スクロールできます
時期(ステージ)水温
プリスポーン(産卵前)10℃〜15℃
スポーニング(産卵)一般的な地域:15℃以上(表層水温)
寒冷地や高地:12℃以上(表層水温)
ソース:「バス釣り喰わせの奥義」(地球丸):泉和摩 箸

その他にも、いくつかの書籍を読んで調べてみましたが、やはり10℃を超えると産卵を意識しはじめるようです。

実際のフィールドの様子

関東のとある野池

2022年3月中旬、関東の田園地帯にある野池や河川で表水温を計測してみましたが、水温が11℃〜14℃の日が増えてきました。

22年3月14日、とある野池のシャローエリアで、ペアになっているバスの姿を確認したので、プリスポーニングのステージに入ったのでしょう。

また、前年の2021年3月中旬〜下旬頃、大きめの川で同じくシャローエリアにバスのペアがいました。

やはり、実際にフィールドでは、10℃を超えると産卵行動を始めています。

春にバスのコンディションを確認したいなら、デジタル水温計があるとけっこう便利です。

デジタル水温計のインプレはこちら

プリスポーン(産卵前)のバスの行動・特徴

水温が10℃を超えて、産卵を意識し始めたバスがとる行動は下記の通り。

  • ミドルからシャローレンジをうろつく
  • 産卵に備えてベイト(餌)をたくさん食べる
  • オスはシャローにスポーニングベッド(産卵床)をつくる
プリスポーンを目撃した川(3月撮影)

この時期は、産卵前にベイトを積極的に捕食する”プリのメス”が釣れます。

お腹が大きい重量感のある魚を求めて、多くのアングラーがルアーを投げる時期ですね。

ミッドスポーン(スポーニング中)のバスの行動・特徴

水温が15℃を超えて産卵を開始したバスの行動は下記の通り。

  • メスは下腹を障害物にぶつけて卵をほぐす
  • 産卵直前はオスもメスもエサを食べなくなる
  • オスがスポーニングベッドにメスを呼び込み産卵する
  • 数千〜十数万の卵を産む(体格により差あり)
  • 卵・稚魚を守るのはオスのみでメスはベッドから去る
  • オスは餌を食べずに卵・稚魚を守り続ける

この時期になると、魚が釣れにくくなるのは、上記のポイントを見れば納得ですね。

野池にいたバスの稚魚らしき群れ

よーく見ると、水面にブラックバスの稚魚を確認できることがあります。

この時期は、偏光グラスをかけて水中を観察してみてください。

本当にお腹をほぐしてた

「ビッグマウス フォーエバー」というDVDで、メスがお腹を障害物にぶつけてほぐす様子を見ましたが、5月上旬、近所の野池で全く同じ行動をしているバスを見かけてびっくりしました。

本当に食べない=ルアーに反応しない

4月〜5月頃にシャローに見えバスがいたのでルアーを投げたのですが、全く反応しませんでした。

そのくせ、全く逃げずに同じエリアをウロウロしていたので、「これがスポーニングか!」と後になって気づきました。

オスは必死で卵や稚魚を守っていた

バスの卵を食べてしまうブルーギル

5月頃、稚魚の群れを付きっきりで守るオスを見たことがあります。

ブルーギルが近寄ってきたところ、猛烈にタックルをして追い払っていました。

アフタースポーン(産卵後)のバスの行動・特徴

  • メスは深いエリアに潜むか浮くかして休む
  • 産卵行動の直後は体力を消耗し餌を追う元気がない
  • 徐々に回復し餌を食べるようになっていく
  • 体力が戻ると活発に餌を追うようになる
5月末の1匹

2020年、同じ野池にずっと通ってみたのですが、下記の通りでした。

5月中旬〜下旬全くルアーに反応なし
6月良型がちょくちょく釣れるようになった

5月末に1匹釣れて、その後、徐々に釣れやすくなったのを覚えています。

5月までは体を休めていて、6月から徐々に体力が回復しはじめて、捕食するようになったと推測します。

上の写真は、2023年の6月1日に釣った1匹。

ビッグベイトだったので、威嚇バイトだった可能性が高いですが、それでも突進するような猛烈なバイトだったので、それだけ体力が回復していたことがわかります。

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おわりに

春、ブラックバスは産卵で忙しくなる季節。

この時期のブラックバスの生態・行動を把握していると、実際にフィールドでブラックバスを観察するのが面白くなります。

もちろん、生態や行動を把握していた方が、釣り方を模索するうえで役立つことでしょう。

本記事の執筆にあたり、参考にした書籍とDVDは下記の通りです。

DVD

見事な水中映像でバスが生活する様子を見ることができます。生態を学ぶのに最適の作品。

DVDタイトルBIGMOUTH FOREVER(ビッグマウス フォーエバー)
企画・製作・発売元中録サービス(株)
販売元オフト(株)、(株)スミス
言語英語
備考日本語字幕あり(ヒロ内藤氏による日本語監修)

書籍

バス釣り喰わせの奥義

HMKLミノーで有名な泉和摩さんの著書。中学生の頃から湖に通って釣りを続けた経験値から語られる知識が満載です。

書籍タイトルバス釣り喰わせの奥義
著者泉和摩
発行所株式会社地球丸
発行日2002年5月10日
備考日本語字幕あり(ヒロ内藤氏による日本語監修)
よくわかる バス釣り超入門

子どもから大人までを対象とした、タイトル通りの超入門書。バスの生態についても触れています。

書籍タイトルよくわかる バス釣り超入門
発行者株式会社 ケイエス企画
発売元株式会社 主婦の友社
発売日2018年7月31日
なぜボクだけが釣れるのか?

季節ごとの攻略法を記した一冊。初心者〜中級者向け。

書籍タイトルなぜボクだけが釣れるのか?
春夏秋冬 秘密のビッグバスパターン40
著者伊藤巧
発行所株式会社つり人社
出版年度2020年
基礎から始めるブラックバス釣り入門

バスの生態、必要なタックル、キャスト方法、ルアーごとの特徴からポイント別の攻略法までを網羅。一冊読めば基礎は身に付くでしょう。

書籍タイトル基礎から始めるブラックバス釣り入門
編者「堤防磯投げつり情報」編集部
発行者穂谷竹俊
発行所株式会社日東書院本社
発行日2008年6月15日(初版)
ブラックバッス

日本のブラックバスの歴史を知る上で欠かせない一冊。日本に初めてブラックバスを持ち込んだ赤星鉄馬氏の著書。バスの生態についても書かれています。

書籍タイトルブラックバッス
著者赤星鉄馬
編者福原毅
発行者大瀬戸雅之
発行所イーハトーヴ出版株式会社
発行日平成8年6月22日

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