頻繁に釣りに出かける方であれば、一度はスズメバチに遭遇して怖い思いをしていることでしょう。
残念ながら、避けられない相手です。
生態を知っておけば、少しでも被害にあう可能性を下げて、釣りを楽しめるかと思い、いろいろと調べてみました。
本記事では、スズメバチに関する生態と注意すべきポイントをまとめ、お伝えします。
*専門家の著書(記事下方にて紹介)の情報を参考にしつつ、筆者自身の経験を混ぜながら、釣り人目線で書いています。
日本にいるスズメバチの種類
1 | オオスズメバチ |
2 | ヒメスズメバチ |
3 | コガタスズメバチ |
4 | キイロスズメバチ |
5 | モンスズメバチ |
6 | チャイロスズメバチ |
7 | ツマグロスズメバチ |
8 | クロスズメバチ |
日本にいるとされるスズメバチは上記の通り。意外と種類がいますね。しかし一般人に識別はなかなか難しそう。
オオスズメバチ、コガタスズメバチ、キイロスズメバチについては、筆者はよく釣り場などで見かけます。



活発になる時期

だいたい5月〜11月に活動し、ピークを迎えるのが9月〜10月
夏から秋にかけては特に注意。

確かに、毎月釣りに出かけていて感じるのは、梅雨明けからスズメバチを見かけるようになり、10月前半は釣りが困難と感じるほど大量に飛んでいますね・・・。
釣り場で注意したい場所
筆者は関東地方の田園地帯を中心に、野池と河川を巡ってバス釣りをオカッパリ(岸釣り)で楽しんでいますが、スズメバチと遭遇するのは下記のような場所・ポイントです。
野池まわりの樹木

関東平野に広がる田園地帯に、ポツンと野池があることもあります。
野池のまわりに樹木はあまりないのですが、野池の岸に数本だけ大きな木が生えており、ここに飛来してくるスズメバチを何度も見かけています。

また、自治体が管轄する公園のような敷地内に池があることもあります。
こういった敷地には樹木がたくさん植えられており、やはり樹木を目当てに飛来しているスズメバチを見かけます。
川・水路沿いの草木

河川や水路での釣りも危険と隣り合わせ。
川沿いに草木がびっしり生えている場所は注意が必要です。
10月のピーク時には、川沿いで釣りをしていると何度も何度もスズメバチに遭遇します。
刺してくる要因と対策
巣と餌を守るため

一番危険なのが、スズメバチの巣。巣に近づくと敵とみなして攻撃してきます。
営巣中のスズメバチは気性が荒いので特に注意。巣を見かけたら離れるべし。

また、餌場である樹木に集まっていることもあり、こちらも注意が必要です。
音や振動に敏感

特に巣を守っている時期は、音や振動に敏感です。
人間が歩く音や庭での作業から出る音にも敏感で、攻撃してきます。
黒い服は危険

よく知られていますが、やはり黒いものをターゲットにする習性があります。
釣りをする方は帽子を被ることが多いですが、帽子や上着は特に黒を避けたほうが良さそうですね。
帽子を被らなければ、黒い髪の毛が露出され、より危険でしょう。
ただ、黒くなければ刺されない訳ではないので注意が必要。
動くものを敵とみなす

スズメバチが近くに来た時、反射的に手で振り払ってしまう人が多いそうですが、これはNG。
動くものを敵とみなすので逆効果です。
じっとしていても刺されるときは刺されるようなので注意ですが、むやみに動くよりは良さそう。

実際、筆者は釣り場でオオスズメバチが目の前まで迫ってきたことがあります。
文字通り、目の前、自分の顔面に来ました。
「あ、やばい、死んだ・・・」と思って怖すぎて全く動けなかったのですが、動かなかったのがよかったようで、どこかに立ち去ってくれました。
じっとして動かなかったことで助かったことは何度もあります。
スズメバチの天敵を味方につける

スズメバチは自然界で無双しているイメージが強いですが、彼らにも天敵はいます。
主な天敵は、鳥類、クモ、オオカマキリ、熊、オニヤンマなど。
梅雨明け〜秋の活動ピーク時、筆者は帽子に「おにやんま君」を装着して釣りに行っています。
下記の記事に詳細をまとめていますのでご覧ください。

刺された時の対処法

ここは専門家の知識を拝借します。
スズメバチとルームシェアをしながら生態を研究している、丸沢丸さんの著書によると、刺された時は下記の通り対処すべきとのこと。
1. まずはその場を離れ、二次被害を防ぐ
2. 冷水で患部を洗い流しながら、毒を絞り出す(刺された場所をつねるようにして毒を絞り出します)
3. 持っていたら、虫刺され薬を塗る(抗ヒスタミン系成分を含むステロイド系軟膏が有効)
4. 傷口を冷やす(保冷剤、氷、ぬれたタオルなど)
5. とにかく病院に行く!
※30分以内の対処が大切
引用元:「図解とマンガでわかる最凶生物 超危険!スズメバチLIFE」丸沢丸
実際に刺されたら上記を冷静にこなすのは難しそうですが、とにかく早めの対処が大切ですね。
自分だけで解決しようとせず、必ず病院に行きましょう。
まとめ
本記事のおさらいです。
- 活動ピークの9月〜10月は特に注意
- 釣りする時は野池まわりの樹木と河川沿いの草木に注意
- スズメバチの巣・餌場とそのまわりは特に危険
- 足音や作業音でも反応して攻撃してくる(営巣中)
- 黒は特に狙われやすい色
- 動くものを敵とみなす=手で振り払うのはNG
- 天敵のオニヤンマを使った対策もある
- 刺されたら30分以内に素早く対処し必ず病院へ
おわりに
釣り人が釣り場で必ず遭遇するスズメバチ。生態や対策を学んでおけばいざというときに安心です。スズメバチや巣をみかけたら近づかないのが一番でしょう。
オニヤンマくんのような便利グッズも出ていますので、使ってみるのも良いかもしれません。
安全第一で釣りを楽しみましょう。
参考にした書籍
その1
書籍タイトル | 図解とマンガでわかる最凶生物 超危険!スズメバチLIFE |
著者 | 丸沢丸(まるさわまる) |
発行者 | 渡瀬昌彦 |
発行所 | 株式会社講談社 |
発行日 | 2019年7月9日 第1刷発行 |
スズメバチの飼育が趣味で、スズメバチとルームシェアしているという一風変わった芸人さんが書いています。ただ、本を読めば彼が専門家の知識を持っているとわかります。
読みやすい文体、イラスト、ユニークな体験談が魅力的。
その2
書籍タイトル | スズメバチ 都会進出と生き残り戦略【増補改訂版】 |
著者 | 中村雅雄 |
発行者 | 八坂立人 |
発行所 | 株式会社八坂書房 |
発売日 | 2007年7月25日 初版第1刷発行 |
都市部にも進出するスズメバチに注目しつつ、30年にわたるスズメバチ研究を続ける著者による一冊。こちらは専門書の要素が強いです。