キャスト精度や釣りの快適性を大きく左右するのが、リール。
特に、ベイトリールは性能の差が顕著にあらわれる印象が強いです。
そろそろ入門期間から脱却というタイミングで、シマノのベイトリール「SLX MGL」を購入して使ってみました。
本記事では、入門機種との差などを交えつつ、シマノSLX MGLシリーズの使い勝手・使ってみた所感をご紹介します。
*本記事で使うSLX MGLのスペック・基本情報については、すべてシマノ公式サイトに記載の情報をもとにしています。
SLX MGLの位置付け

シマノのベイトリールを表にして、SLX MGLの位置を確認してみました。
価格順にしています。情報は2022年2月中旬時点。
No. | リール名 | 定価(税別) |
1 | アンタレスDC | 80,900円 |
2 | アンタレスDC MD | 79,800円 |
3 | カルカッタ コンクエストDC | 71,700〜73,800円 |
4 | カルカッタコンクエス(300-400番手) | 61,700〜62,900円 |
5 | アンタレス | 60,900円 |
6 | カルカッタコンクエスト(100-200番手) | 57,300〜59,500円 |
7 | メタニウムDC | 57,800円 |
8 | カルカッタ コンクエストBFS | 56,700円 |
9 | アルデバランBFS | 48,000円 |
10 | アルデバランMGL | 47,600円 |
11 | メタニウム シャローエディション | 46,300円 |
12 | メタニウム | 46,300円 |
13 | カルカッタ | 37,900〜42,200円 |
14 | バンタム | 40,950円 |
15 | スコーピオンDC | 37,500円 |
16 | スコーピオンMD | 37,000円 |
17 | SLX DC XT | 35,000円 |
18 | スコーピオンBFS | 35,000円 |
19 | スコーピオンMGL | 28,400円 |
20 | SLX DC | 27,500円 |
21 | スコーピオン | 27,000円 |
22 | SLX BFS | 25,000円 |
23 | SLX MGL | 21,000円 |
24 | バスワンXT | 9,500円 |
25 | バスライズ | 6,700〜7,400円 |
数多くの機種がある中で、下から数えて3番目。

入門機種として人気が高いバスワンXTとの間に1万円の差があり、この差が、入門期間からの脱却のようにも感じられます。
使用しているSLX MGLは2種類

SLXには、ノーマルギア、ハイギア、エクストラハイギアの3種のギア設定が存在。
筆者が使用しているのは下記の2種類。スペックを一部載せます。
リール品番 | ギア比 | 最大ドラグ力 (kg) | 自重 (g) | 糸巻量 ナイロン | 最大巻上長 (cm/ハンドル1回転) |
70 (ノーマルギア) | 6.3 | 5.5 | 190g | 16lbで80m | 63 |
70XG (エクストラハイギア) | 8.2 | 5.5 | 195g | 16lbで80m | 82 |

ハンドル一回転あたりの糸を巻き取る量が多いのがハイギアです。
エクストラハイギアはさらにその上。
上の表では、巻取り量に20cmほどの差がありますね。

ノーマルギアもエクストラハイギアも、スプールのサイズは同じなので、巻けるラインの量は同じです。
SLX MGLを使ってみた所感

筆者はバス釣りを始めた当初、入門機種のバスワンXT150をずっと使っていました。
使い倒したと言えるくらい、使い込みました。

このバスワンXT150との比較を交えながら、感じたことを項目ごとにご紹介します。
コンパクト・軽量・剛性感

SLX MGLはバスワンXT150よりも一回り小さいボディ。
重さは下記の通り。軽量化も実現しています。
バスワンXT150 | 210g |
SLX MGL 70 | 190g |
SLX MGL 70XG | 195g |

詳細は公式サイトの説明に譲りますが、HAGANEボディが採用されており、剛性感に特に問題は感じていません。
1ozを超える大きめのルアーを操っていても、特に歪みや軋み(きしみ)は感じず。良い感じです。
糸巻量は十分

ラインは、ナイロン16lbを80m巻くことが可能。

筆者は、ナイロンの12、14、16、20ポンドを使っていますが、16ポンドまでであれば、上の写真のような300m巻きのラインを4回巻いて使っています。
大河川や琵琶湖のような場所で大遠投することはないので、75mあれば十分。
20ポンドを巻くときは、だいたい1oz前後の大型プラグ。こっちは基本的にショートキャストが多いので、まあ50mも巻ければ問題なしです。
遠投性能
上の動画、少し参考になるかもしれないので、載せます。
SLX MGL 70XGで、20gくらいのバイブレーション投げています。
見づらくてすみません・・・。ほとんど力を入れていませんが、スムーズに30m近く飛ばせています。
ちゃんとキャストすれば、これの倍は飛びます。

他に、大きな河でヘビキャロ に挑戦した時に、遠投性能が役立ちました。
50-60mくらいは軽々と飛びます。
ラインがスムーズに出ていく

遠投じゃなく、10m程度のキャストでも感じるのが、ラインがスルスルとスムーズに出ていくことです。

バスワンXT150の頃は、力を入れてキャストして飛ばしていた感じでしたが、SLX MGLでは力を入れなくとも、スルスルとラインが出て行って、快適にキャストが可能。
巻き心地が良い

バスワンXT150で投げまくっていたスピナーベイトをSLX MGL70で投げてみて、巻き心地の差を感じました。
SLXの方が滑らかにスムーズに巻き巻きできる感じです。
ブレーキ設定は慣れる

最初の方はブレーキ設定が面倒ですが、使っているうちに頻繁に投げるルアーとそれに合わせた設定が固まってくると思います

左側のブレーキダイヤルと右側のメカニカルブレーキノブで調整します。筆者は、最初は釣り場で知り合いの方に設定を手伝ってもらったりしました。
コスパは最強クラス

SLX MGLの価格は1.5万円前後。1.5万円でこの性能であれば、十分すぎると思います。
入門機種には戻れない・・・

SLX MGLをしばらく使った後、久々にバスワンXT150で投げてみた時、「えっ・・・」てなりました。
快適性がガクンと落ちた感じがしました・・・。
SLX MGLで実際に投げているルアー
SLX MGL 70(ノーマルギア)

スピニングでは投げづらい小〜中型のプラグとスピナーベイトを中心に投げています。
ワームの出番は少ないですが、ちょくちょく使っています。
プラグ

下記は、実際に投げて釣れたルアーの一例。
ブランド | ルアー | 重さ |
HMKL | K-1ミノー85SP | 6.3g |
O.S.P | ASURA O.S.P 925F (初代) | 6.8g (※) |
O.S.P | ASURA O.S.P II 925F | 7.8g |
O.S.P | ベントミノー106F | 10g |
O.S.P | ブリッツ | 9g |
プライアルルアー | ファーストスピナーベイト | 1/4oz |
ヘドン | ザラパピー | 7g |
ラッキークラフト | ベビーシャッド75SP | 10g |
バイオベックス | ジョイントベイト90SF | 11g |

6g台のミノーは、遠投はしづらい感じがありますが、メインフィールドである小規模な野池や河川で必要な距離は出せています。
スピナーベイトやクランクベイトなど、一定の速度で巻く時は、巻き心地の良さを感じることができます。

一方で、ミノーでのトゥイッチングやペンシルベイトのドッグウォークなどでもちゃんと釣れています。
ワーム

ブランド | ヒットルアー | リグ/チューニング |
O.S.P | ドライブクロー 4インチ | テキサスリグ 3.5g |
ゲーリーヤマモト | 6インチジャンボグラブ | ダイワ ジグスピナーSS 5g ジグヘッドリグ1.8g |
ゲーリーヤマモト | 6.5インチカットテールワーム | ノーシンカーワッキー |
ゲーリーヤマモト | 5-1/2″スレンダーグラブ | ジグヘッドリグ 1.8g |
ノリーズ | 3.6″フリップコギル | ネコリグ 1.3g |
ワームでは、現在のところ上記のワームとリグで釣れています。
おおよそ10g前後が扱いやすいと感じています。
SLX MGL 70XG(エクストラハイギア)

大きめのルアーを投げる時に使っています。
プラグ

実際に投げて釣れたプラグは下記の通り。
ブランド | ヒットルアー |
ガンクラフト | ジョインテッドクロー148 |
ガンクラフト | ジョインテッドクロー128F |
デプス | NZ CRAWLER Jr. |
デプス | タイニーブルドーズ |
デプス | スライドスイマー115 |
HMKL | アライブベイト(F) |

ジョイクロやスライドスイマーの首振りアクションを出す時に、このエクストラハイギアが大活躍。

NZクローラーJr.とアライブベイトはタダ巻きで釣れました。
ただ巻きも問題なし。
2ozクラスのビッグベイトも扱える
まだ釣れてはいませんが、ジョインテッドクロー178やジョイクローラーといった、2ozクラスのビッグベイトも扱えます。
ジョイクロ178では、デジ巻きで首振りアクションなどをしてみましたが、ちゃんと動いてくれました。
リールが歪んだり軋んだり(きしんだり)することなく、剛性感の面でも心配は無用。
ワーム

ブランド | ヒットルアー | リグ/チューニング |
ゲーリーヤマモト | 6.5インチカットテールワーム | ネコリグ シンカー0.8g |
ゲーリーヤマモト | 6.5インチカットテールワーム | ネコリグ シンカー1.2g |
ゲーリーヤマモト | 3.5インチハートテール | ウェイテッドフックリグ 3.5g |
現在のところ、上記のワームとリグで釣っています。
ネコリグでは、糸ふけを瞬時に巻き取ってフッキングするという点では、エクストラハイギアが活躍しますね。
ワイヤーベイト

ブランド | ヒットルアー |
バークレイ | DEXスピナーベイト DW(1/2oz) |
ダイワ/STEEZ | STEEZスピナーベイト TW (3/8oz) |
プライアルルアー | ファーストスピナーベイト3/8oz |
エバーグリーン | Dゾーン DW 3/8oz |
ジャッカル | スーパーイラプションJr. TW 3/8oz |
デプス | Bカスタム DW 3/8oz |
上の表は、主なものを抜粋していますが、3/8oz〜1/2ozのスピナーベイト全般を投げています。
基本的に、ただ巻きで使っていますが、特に問題なくちゃんと釣れています。
こんな人・こんな時におすすめ
- 入門機種リールでは物足りなくなってきた
- 遠投性能が必要になってきた
- 湖や大きな河で投げることが多い
- 入門時から快適性を求めたい
- ストレスない性能とコスパの両立を求めたい
SLX MGLは、入門機種を使い切った後に、次のステップとして選ぶのに最適な機種で、安価で性能の高いコスパ最強のリールだと言えます。
筆者はノーマルギアとエクストラハイギアを使っていますが、真ん中のハイギア1つで全てカバーできそうな気もしています。
予算的に厳しいようであれば、ハイギアのみという選択肢もアリでしょう。
おわりに
個人的には、SLX MGLのおかげでなんのストレスもなくバス釣りを楽しめています。
最初のSLX MGLを購入して2年以上経ちますが、現在も特に不満はなし。
よっぽどのことがない限りは、SLX MGLを使い続けようと思っています。